Note.
Gravitation and Cosmology 第3章第3節のところ。
まずは計量の微分が次のように与えられることはさっさと覚える。
で、これはこれでまぁいいんだけど、例えば局所慣性系を点で取ってたりするとでの微分がマズイことになる。その点で局所座標を取ってるということなので点を動かすのは良くない。
つまり(3.3.2)式、
をそのままで微分して良いのか?という疑問が浮かぶ。の下に添字がどこで局所座標をとっているかということを表している。
(メモ:(3.3.3)式
実際にで微分すると分かることで、一つはとしてそのまま微分した項が出てくる。これは問題ない。これ以外の項が問題で、気持ち的にはで微分すると、の下付き添字について微分したような項が出てくる:
この項は計量とかaffine connectionにどう関係するかと理解するのは難しい。
これをどう解決するかと言うと、等価原理をもうちょっと上手く解釈してそもそもこんな変な項が出てこないようにする。どう解釈するかと言うと、
"The loccally inertial coordinates that we construct at a given point can be choosen so that the first derivatives of the metric tensor vanish at ."
おおざっぱに:「ある点において、計量の一回微分が消えるように局所慣性系を取ることができる」
と解釈する。ワインバーグ曰く、計量の一回微分は非常に近い2つの点に置いた同一の時計によってのみ測定されることが理由らしい。で、この2つの点を一致させるとその2つの時計は同じなのだから同じ時刻を返してきてその差は。よって計量の一回微分は消える。ということを言いたいのだと思う。実際にイメージするといわばポテンシャルが安定する点のような場所を中心として局所座標を取っていて、確かにその点の周辺では計量が一定なのかもしれない。このあたりはどれかのノートに書いたのでそれを参照。
そんな感じでこう等価原理を解釈してもうひとつ点に非常に近いで局所座標を取る。まずはででの計量を表す(ただ表しただけ)と、
となる。さっき解釈しなおした等価原理からこれをで微分すると0。今度はでの計量をから任意の座標系{}への変換を考えると、
となる。これをで微分する。
あっ・・・・&=とすると変になる・・・・・。
最初の等式の右辺は等価原理で消える。これでとすると、
となる。これで最初の方の微妙な項は出てこなくなり、点についても計量の微分は、
と表すことが出来る。
どうしてこんなことを考えなくてはいけないのか?そんなに微分幾何学に詳しくは無いけどメモしておく。Gravitation and Cosmologyでこの話が出てくるのはまだ接続(共変微分)が定義されてない時なのがそもそもの問題だと思う。リーマン幾何学ではまずリーマン多様体にただ一つの接続を定義するためにTorsion freeと接続が計量を保つ(compatible)ことを要求する。Torsion freeはベクトルについて接続が次の等式を満たすことである。
この条件から次の等式が出てくる。
二つ目の接続が計量を保つということはに対して次の等式が成り立つこと。
つまり、となっていなければいけない。この2つの条件を満たす接続をLevi-Civita Connectionと言って、リーマン多様体上にただ一つに決まる接続であり、いつも見るaffine connectionの形はこれのこと。で、何が言いたいのかと言うと、そもそもリーマン幾何学では接続が計量を保つという条件から
が出てきてよくやるように局所座標を取った点で消える。という感じで説明の順序が違うんじゃないだろうかと思ったがどうでしょう・・・?書いてる途中で分からなくなったからここまで。
近況:場の量子論ヤバイ。でも場から量子化するから電磁場なんかはローレンツ不変性を考えるときに信じられないくらい分かりやすくなるってのは感動した。